Audi Team HitotsuyamaがGT300クラスに参戦する“AUTOBACS SUPER GTシリーズ”。第6戦となる「AUTOPOLIS GT 300km RACE」が、2019年9月7-8日、大分県のオートポリスにて開催されました。不運が重なったこともあり、なかなか上位入賞を果たせずに後半戦を迎えましたが、テクニカルコースのオートポリスはAudi R8 LMSが比較的得意とするコースゆえ期待が膨らみます。しかし、予選前に行われた公式練習ではマシンの調子が良いにもかかわらず、昨年よりもタイムが伸び悩んでしまいました。実は8月29日に阿蘇山が噴火し、その後も継続していたために火山灰がコースに舞い落ちていました。これによって路面が滑りやすくなっているのが原因のようで、他のチームも同じような状況でした。
ドライに関わらず滑りやすいコースがタイヤの摩耗にどのような影響を与えるかも、レースの行方を大きく左右すると思われる中、7日の公式予選がスタート。ノックダウン方式で行われる予選のQ1はリチャード・ライアン選手が担当し、3周目に1分46秒103をマークします。そして本来はもう1周アタックする予定でしたが、やはりタイヤの摩耗が想像以上に激しかったために断念。それでもぎりぎりでQ1を突破しました。続くQ2も1周のみのアタックとなりましたが、ステアリングを握った富田竜一郎選手が1分45秒554を叩き出し、11番手とまずまずのポジションを獲得することができました。
そして迎えた8日。午前中はまだ残暑を感じさせる強い日差しが注いでいましたが、この日の天候は下り坂という予報で、スタートの時間が近づくにつれオートポリス上空には雲が広がってきました。14時37分に決勝レースがスタート。第1スティントを任されたライアン選手はスタートを着実に決めてポジションをキープしますが、直後にセーフティカーが導入されます。その後もしばらくは順位を維持していたものの、思いのほかタイヤの摩耗が早く15周を過ぎたあたりからペースが落ち始めます。このため25周を終えたところで予定よりも早くピットストップし、富田選手にドライバー交替。すでに雨は降っていましたが、この時点では路面が乾いていたため、引き続きスリックタイヤでコースに戻りました。
その後、雨が強まりますが、32周目に再度セーフティカーが入り、スリックタイヤのまま様子をみることに。39周目にセーフティカーが解除され、ここでいよいよレインタイヤへ履き替えかというところで、またまたセーフティカー導入となってしまいました。この時点で上位はすべてレインタイヤを装着。一方、Audi R8 LMSはスリックタイヤ装着マシンの中ではトップに位置していました。そこでチームはコースコンディションが回復することに賭け、スリックタイヤのまま走行することを選択します。この目論みが見事に的中し、48周目にセーフティカーが解除されると徐々に路面状況が良くなり、富田選手のタイムがレインタイヤを履くマシンに近づいていきます。このままレースが進めば入賞を狙えると思ったのも束の間、セーフティカー導入中に富田選手がコース上でスピンした行為に対し、ドライブスルーペナルティーの裁定が下ってしまいました。富田選手は最後まで攻めの走りを貫きますが、結局13位までポジションを上げたところでレースを終えました。自然の力に翻弄されたかのような第6戦でしたが、マシンは着実にセットアップが進みパフォーマンスも向上していますので、今後とも応援をよろしくお願いいたします。
開催日:9/7-8
開催サーキット:オートポリス
天候:曇りのち雨
決勝開始時刻:14:37 終了時刻:16:56
出走台数 : 29台
ドライバー:リチャード・ライアン/富田 竜一郎
決勝周回数:62
決勝ファステストラップ:1'47.091